ビルメン採用動画制作所 by ONETRACK
Issues

ビルメンテナンス業界の採用課題と、
動画で解決できること/できないこと

「若手が来ない」という一つの症状の裏には、性質の違う複数の原因が重なっています。原因を取り違えたまま動画を作っても、応募数は動きません。この記事では、まず原因を構造から分解し、そのうえで動画が効く課題と、動画では解決できない課題を切り分けます。

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なぜ、若手が来ないのか

ビルメンテナンス業界の採用難は、しばしば「人手不足だから」「知名度がないから」と説明されます。しかしこの説明では、同じ地域・同じ規模の会社のあいだで採用の成否が分かれる理由を説明できません。私たちが現場で見てきた限り、原因はもっと具体的な三つに分解できます。

原因1|仕事の中身が、外からまったく見えない

建物の設備管理は、うまくいっているときほど誰にも意識されません。空調が効いていること、エレベーターが動くこと、水が出ること、照明が点くこと。これらは「当たり前」として扱われ、その裏側で誰が何をしているかは、建物を使う人の視界に入りません。

この「見えなさ」は、採用の入口で決定的に不利に働きます。学生や転職希望者が職業を選ぶとき、まず思い浮かべるのは自分が見たことのある仕事です。見たことがない仕事は、選択肢の候補にすら上がりません。求人票を出しても応募が来ないのは、条件が悪いからではなく、そもそも検討のテーブルに乗っていないことが多いのです。

これは求人票では埋められない差です。文字で「やりがいのある仕事です」と書いても、見たことのないものは想像できません。ここが、動画がもっとも効く領域になります。

原因2|資格の存在が、入口を狭く見せている

この業界には、第二種電気工事士、電気主任技術者、建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)、危険物取扱者など、多くの資格が関わります。実務で重要なのは事実です。

ところが求人情報でこれらの資格名が前面に出ると、「資格を持っていない自分には無理だ」と読まれます。実際には入社後に取得を支援している会社が大半で、未経験からの育成を前提にしているにもかかわらず、その前提が候補者に伝わっていません。

結果として起きるのが、「有資格者を採りたいのに、応募してくるのは資格のない人ばかり」「あるいは、そもそも誰も応募してこない」という状態です。前者は求人の書き方の問題、後者は入口の見せ方の問題で、打ち手は別になります。

原因3|「3K」のイメージが、実際とずれたまま残っている

きつい・汚い・危険という古いイメージは、いまも一定の層に残っています。しかし現在の現場は、遠隔監視やIoTによる予防保全の導入が進み、作業の内容も安全管理の水準も変わってきています。

問題は、この変化が外に伝わっていないことです。イメージと実際のあいだに時差がある状態で、その時差を埋める手段を持たないまま採用活動をしている会社が少なくありません。

ここで注意が必要なのは、「3Kではありません」と否定しても伝わらないことです。否定は、否定された言葉のほうを記憶に残します。有効なのは、実際の現場を見せて受け手に自分で判断してもらうことです。

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「応募が来ない」の裏には、4つの違う症状がある

採用の相談を受けるとき、私たちは最初に症状を切り分けます。同じ「採用がうまくいかない」でも、以下の4つは原因も打ち手もまったく違うためです。

症状何が起きているか動画が効くか
① 応募数が足りない そもそも認知されていない、あるいは仕事の中身が想像できず候補に上がっていない。求人票を改善しても限界がある 効く。仕事の中身を見せることが直接の解決になる
② 応募の質が合わない 来てほしい人材(若手・有資格者・長く働く意思のある人)ではない層からの応募が中心になっている 効く。ただし目的が逆で、「合わない人に応募させない」設計が必要になる
③ 内定辞退が多い 選考は進むが、他社と比較された段階で選ばれない。志望度が上がりきっていない 効く。選考中に見せる素材として、社員インタビューが有効に働く
④ 早期離職が多い 入社前の想像と実際の業務がずれている。夜勤や緊急対応の実態が伝わっていなかった 条件つきで効く。良い面だけを描いた動画は、むしろ離職を増やす
②と④は、動画の作り方が真逆になります

応募数を増やす動画は「魅力を最大化する」方向に作ります。一方、応募の質を上げる動画と定着を良くする動画は、「合わない人にはっきり分かってもらう」方向に作ります。夜勤があること、緊急対応があること、資格取得の勉強が必要なこと。これらを隠さずに出したほうが、結果として採用は安定します。
一本の動画で両方をやろうとすると、どちらつかずになります。最初の一本をどちらに寄せるかは、いま一番痛い症状で決めてください。

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課題別・最初の一本をどう選ぶか

予算と時間が限られている場合、作れるのは一本です。その一本を何にするかで、成果はかなり変わります。私たちが相談を受けたときの判断は、おおむね次のとおりです。

いちばん痛い課題最初に作るべき一本理由
そもそも会社を知られていない 採用ブランディングムービー 会社の姿勢と存在を最初に伝える。説明会の冒頭と採用サイトのトップで最も使う
仕事の中身が想像されていない 現場密着・仕事紹介動画 一日の流れを追うことで「何をしている仕事か」が言葉なしで伝わる
選考で他社に負ける 社員インタビュー動画 「誰と働くか」は比較検討の最終段階で効く。若手社員の本音が最も強い
入社後のギャップで辞められる 社員インタビュー動画(現実を含める) 夜勤・緊急対応・資格取得を隠さず入れる。応募数は減るが定着は上がる
有資格者に届いていない 職種別の仕事紹介動画 技術者は待遇より「どんな設備を扱えるか」で判断することが多い
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動画では解決できないこと

ここは正直に書いておきます。採用動画を作っても解決しない課題があります。相談の段階でこれに当たると判断した場合、私たちは動画を作らないことをお勧めします。

そもそも求人が見られていない

掲載している媒体が候補者の目に触れていない場合、動画を用意しても再生される場所がありません。先に媒体と掲載内容を見直すべきです。

条件が地域相場から外れている

給与・休日・勤務地の条件が周辺他社と比べて明確に不利な場合、映像で覆すことはできません。動画は事実を伝える手段であり、事実を変える手段ではありません。

選考プロセスで候補者を失っている

応募から連絡までが遅い、面接の日程調整に時間がかかるといった運用の問題は、動画の外側にあります。

置き場所が決まっていない

採用サイトのどこに置き、説明会のどの場面で流し、求人媒体とどう連動させるか。ここが空白のまま作ると、動画は納品されたまま使われません。

逆にいえば、これらが整っている会社ほど、動画の効果は素直に出ます。私たちが相談の段階で採用フロー全体を伺うのは、動画を作る前に潰しておくべき点があるかどうかを確認するためです。

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この業界で、動画が特に効く理由

ここまで慎重な条件を並べましたが、それでもビルメンテナンス業界は、採用動画の効果が出やすい業界だと考えています。理由は単純で、伝えるべき情報と、いま伝わっている情報のあいだの差が大きいからです。

知名度の高い業界であれば、候補者は既に一定のイメージを持っています。動画で伝えられるのは、そのイメージの微調整にとどまります。一方この業界では、候補者はほとんど何のイメージも持っていません。白紙の状態に、最初の一枚を置けるということです。

言い換えると、この業界の採用動画は「他社より上手に見せる競争」ではありません。まだ誰も見せていないものを、最初に見せる仕事です。競合が同じことを始める前ほど、効果は素直に出ます。

どの症状に当てはまるか、一緒に整理します

応募数なのか、応募の質なのか、辞退なのか、定着なのか。ここを取り違えないことが最初の仕事です。動画を作らないという結論もあり得ます。